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【夜が明ける直前の、東京タワーが見える首都高速道路】

 

30年ほど前、名古屋から東京に向かうために乗った深夜バスは、横浜辺りで起きた事故の影響で渋滞に巻き込まれ、ノロノロと進んだり止まったりを繰り返していた。

通常なら東京駅に着いている時間に、バスはまだ首都高速をノロノロと。

 

おそらく早春だったと思う。

カーテンを開け外を見ると、夜明け直前だった。

夕焼けと見間違えるほど、空一面が赤とオレンジに染められ、その中に光で逆行になった、黒い東京タワーが、勇ましく堂々と浮かび上がっていた。

神秘的で幻想的な、まるで絵葉書のような朝焼けを見ながら、あまりの美しさに息をのんだ。

眠気が一気に飛んで、窓ガラスに顔をくっつけて見入った。

 

季節、天気、時間、気温、空気。

自然の力がいくつも重なって見せてくれた、素晴らしい風景だった。

 

今でも高速深夜バスで何度も首都高を通っているが、あの風景には未だ再会できず。

是非また出逢いたい(行きたい)と思う「場」である。