cry_boy

1階から2階へ行く階段を上ろうとしたら、いつもはちょっとだけ俺様的な1年生のA君が、4~5人の女の子を前に、今から泣くぞ泣くぞと、クシャクシャな顔になっていく、ちょうど真っ最中だった。

数段高いところから見下ろされていたので、それなりの威圧感もあったのだろう。

私がA君より数段上になったときには、大泣きを始めた。

女の子たちの説明はこうだ。

〝工作の時間に作った自作の風車で遊びたかったのだが、先生に創作物は各自の鞄に片付けるよう指示があった。けれどもA君は遊んでしまい、女の子たちに囲まれて注意をされていたところだったらしい〟

私はA君の背中に手を当てながら、

「そっかそっか、じゃあ先生と一緒に鞄に片付けに行こう。泣かなくていいんだよ」

A君「やだぁ~!! 泣きたい~~っ!!」

私心の声

〝そうかそうか、泣きたいのかぁ~。そうだよね、遊びたいから遊んでたのを注意されたんだもんね~〟

校舎中に響き渡る大声で泣いているA君。

そのままA君と手をつなぎ、A君の鞄が入れてあるロッカーへ。

自慢の風車は無事にA君の鞄の中に納まった。

やれやれと一安心してA君を見ると、つい今しがた「泣きたい」と叫んでいたA君は、こ憎たらしいほど無邪気な俺様A君に戻って、やんちゃ坊主軍団と大暴れしていた。

〝今鳴いたカラスがもう笑う〟とは、まさにこのことで、なんとも子どもらしくて、可愛い。

家に持ち帰った風車は、その後どうなったのかなぁ。