傷つく男の子

男児5人が、1時間近くかけて作り上げた、長い列のドミノを、わざと蹴散らしてぐちゃぐちゃにしたA君。

穏やかだったその場の空気が、一瞬で固まった。

けれどもA君には、反省も謝罪の意思もない。

1時間近くかけた労力、壊された悔しさ、無念さ、腹立たしさを、想像する力もない。

男児5人には関係のない場所でムカツイタからやったのだという。

指導員に即されて、口先だけのふざけた詫びの言葉を、軽々と口にする。

大人を見くびり、人を思いやること、人の話を聴くこと、人と目を合わせることを、知らない。

「僕はもう未来にいくので、ハイ、さよおなら」

と部屋を出て行こうとするA君に、

「過去をちゃんと反省しないと、未来には行けないと思うよ」

と言ってみた。

一瞬大きく目を見開いて、キッとこちらを見たその顔は、やっと二桁の年齢になろうかという幼な顔。

A君を見ていると、機能不全家庭(家庭内の環境があまり良くない)がうかがえる。

本人も気が付いていない心の奥底で、たくさん傷ついているその態度に、胸が痛む。

とても細身の容姿は、ジャニーズ系で精悍な顔立ち。

持っている強いエネルギーの向きを、もっと自分を活かせる使い方に、ちょっとだけ変えられればいいなと、願う。