心の闇

どうにもこうにも手が付けられない、困った2年男児6人組。

いったいどういう育ち方をしてきたら、ここまでハチャメチャに育つのかと思うほど、学習、日常生活、集団活動、行事ごとなど、ほとほと職員は手を焼く。

わずか8歳にして、怖い職業の人かと思うことがある。

あまりにも冷たい目つきで睨みつけられ、背筋が凍りそうになることもある。

6人が集団で暴れると、通常の対応では収まらない。

そこに集団意識が働けば、職員総出での対応になる。

けれども、1人1人をしっかり観察していると、ハチャメチャにしていることで防衛本能が働いて、何とか心のバランスを保っているようにも見える。

ハーフで色黒のためにイジメられ、虚勢を張っていないと身を守れない子。

身体の見えないところに、たくさんのアザがある子。

給食だけが唯一の食事と思わせるような、痩せ細った子。

1人ぼっちになるのがイヤで、他の子に合わせて行動している子。

 

あるとき6人組の中の1人の子が、100人近い児童が脱ぎ散らかしてぐちゃぐちゃになった上履きを、1足1足きれいに並べていた。

普段の彼からは想像がつかないその光景に、あまりにも驚いて、

「偉いね、ありがとね」

と声をかけるのが精一杯だった。

その瞬間、逃げるように走って行ってしまった。

帰り際、もう1度その子の所に行き、

「みんなの上履きを揃えてくれたね。ありがとうね。偉かったね。先生嬉しかったよ。やればできるじゃん!!」

と、頭を撫でた。

「うっぜぇーな! こっちくんなよっ!! あっち行けよっ!!」

プイッとそっぽを向いた。

中々本心は見せてくれない。でも、本心からの言葉ではないことは、充分に伝わってきた。