つり革

電車内で、つり革につかまった自分の手を何気なく見たら、その先の隣りのつり革に、おねえさんの手があった。

白くて細長い指、薄いピンクの優しい爪、ツルッツルスベッスベの甲。

私の、短くてぶっとくて乾燥してガッサガサの手とは大違い。

勝負に意味はないが、明らかに負けていた。

おねえさんのような手にはなれないけれど、それでも決して美しくはない自分の手を見ながら、

〝こんなにゴツゴツで指の短いちーちゃい手の私でも、毎日生きることを頑張りながら楽しんでるじゃん。よしよし〟

と、自分で自分を褒めてみた。

そうしたら、自分の手が、少し愛おしく見えてきた。