1人

帰宅すると、家中がサッパリと片付いていた。

〝あれ? いつもと雰囲気が違うぞ〟

髪の毛1本落ちていない床。そしてよく見ると、長いことほったらかして、
油汚れや食品をこぼした痕で汚かった、ガスコンロの周りがピカピカになっていた。

「お母さんお仕事だったから、私がやっておいて差し上げたわよぉ~!! 偉いなぁ、私」

自慢げにドヤ顔で言う娘。働く母親を思いやっての家事労働だったことがうかがえて、

〝ああ、こんなふうに思いやってもらっているんだ。私は1人ぼっちじゃないんだ〟

と思えたことが、嬉しかった。

誰でも1人ぼっちではない。

ときに家族だったり、友人だったり、カウンセラーだったり、昇る朝日だったり、
まんまるお月様だったり、まるで自分のために咲いてくれているような花だったり、
お守りのように大切にしているものだったりと、よくよく見渡せば、
周りには必ず見守ってくれている存在や出来事がある。

それに気付くか気付かないかは、自分次第。

1人ぼっちじゃないよ。