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今月2つめのお題です。

ここが私の「アナザースカイ」です。
今月はパクリ月間です(笑)心の故郷もしくは思い出の地(海外でなくても結構です)を
語ってください。

【ニューヨーク】

実は、1度も行ったことがありません。
しかも、半世紀以上生きてきて、1度も海外に行ったことがありません。
パスポートも取ったことがありません。
それなのに、何故、ニューヨークを挙げたかというと、住みたい(移住)と思っているからです。

発端は、高校生の頃。生活のすべてを賭けて、
真剣に応援していた(追っかけってヤツですね…(^_^;))ロックバンドが、
LP制作のためにニューヨークに行きました。
携わりたいエンジニアが、たまたまニューヨーク在住だったからです。

当時は今のようにネットも豊富な情報網もなく、
数少ない音楽雑誌だけが、その様子を伝えてくれました。
その時、バンドのメンバーが写っていた写真の背後に見たニューヨークの、
高層ビルやネオン、ごちゃごちゃした街並みが、何故か懐かしく感じて気に入ってしまい、
憧れの地となりました。

後に発売されたLPの音も、私にはニューヨークを感じさせる楽曲に聴こえたことも、
気に入った理由だったかもしれません。

20歳を少し過ぎた頃、一人暮らしをしたくなった私は、ニューヨーク移住を希望しました。
ところが、母は大反対。
当時のニューヨークは、まだ地下鉄も落書きだらけで、犯罪も多く、
女性が一人歩きをするのは危険だとまで言われていた街でした。
東京ですら外国のようだと感じていた田舎の母には、
〝ニューヨークは行ったら殺される所〟
という発想があったようでした。

その後、子育てに追われ、ともすると、ニューヨークなど忘れ去ってしまうほど、
自分の希望を後回しにする生活が、かなり長く続きました。
でも、そんな生活の中でも、頭の片隅には
〝いつかニューヨークへ〟
という想いが離れませんでした。

インターネットの普及によって、
それまで雑誌や本でしか知ることが出来なかったニューヨークの情報が、
ドンドン入ってくるようになりました。
また、テレビでもニューヨークを特集したり、芸能人が訪れて紹介するようにもなりました。

さらに、ネットを通じてニューヨークから帰国した人のお話を聞けたり、
ニューヨーク在住のお友達ができるなど、
若い頃に憧れていたニューヨークがぐぐーんと身近になりました。

以前、
「日本で生きることに違和感と窮屈さを感じる。だからニューヨークで生活してみたい」
と言ったら、ある人から、
「日本が嫌でニューヨークに逃げる生き方をするあなたは卑怯者でダメ人間だ」
というようなことを言われ、悲しい思いをしたことがあります。

どうしてこんなにニューヨークに憧れるのか、理由がわからず、自分でも不思議に思います。

田舎で育った反動なのか、高層ビルが好き、都会が好き、ネオンが好き、などなどありますが、
それだけではない何かがあるような気がします。

諦めても諦めても諦めきれない想い、打ち消しても打ち消しても湧き上がってくる移住への想い、
ただの憧れだけでは説明のつかない感情が湧いてくるのです。

いつだったか得た情報で、
『ニューヨークという街は、日本では後ろ指を指されるようなことでも、
心の底から自分がやりたいと思ったことなら、
〝ふ~ん、それがあなたのやりたいことなの? じゃあ、頑張って。応援するわ〟
と言われる街だ』
と聞いたことがあります。

田んぼだらけの閉鎖的な田舎で育った私は、
自分では自分に正直に生きていたつもりだったのですが、
何かにつけて突飛な言動や発想をする子だと思われ、窮屈な思いをしていました。
ゆえに、内容はどうであれ、真剣に生きることを認めてくれる街に
魅力を感じたのかもしれません。

来年の秋、短期ではありますが、やっと行ける目どが立ちました。
ニューヨークに自分の足で降り立って、自分の五感で感じ取り、
不思議な理由を少しでも解明できればいいなと思っています。